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(プロ野球を「研究する」編No.53)データで選ぶ2018プロ野球「ワーストナイン」に選ばれた選手の成績詳細・寸評

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 こんにちは!! と申します。当ブログにお越しいただき、誠にありがとうございます。

 今回は、

プロ野球を『研究する』編」

の第53弾として、

「データで選ぶ2018プロ野球『ワーストナイン』に選ばれた選手の成績詳細・寸評

をお送り致します!!

 

 

「研究する」編で使用される、”奇跡の野球の分析手法”「セイバーメトリクス」とは!?>

 

 セイバーメトリクスとは、野球の戦略・戦術や競技者(選手)を、統計学すなわち「科学」を用いて分析・評価するという、今までにない斬新な手法の事です。野球の本場・アメリMLBでは、この手法を導入したオークランド・アスレチックスが、資金難による低迷から脱して常勝球団になった事等もあって、セイバーメトリクスの有用性が認められており、この手法を用いた球団運営が主流となっています。

  野球の常識を覆し、弱小球団を常勝球団に変貌させる等の数々の奇跡を起こした、いわば”奇跡の野球の分析手法”であり、これを知れば、あなたも「超」野球通です!!

セイバーメトリクス入門シリーズ カテゴリーの記事一覧 - プロ野球FUN

 

 

<はじめに>

 

 スポーツ記者が、そのシーズン最も活躍したと思った選手を、ポジションごとに選出する賞「ベストナイン」。

 今シリーズでは、あえてその逆の賞「ワーストナイン2018」を、データを基に選出してみました。

 「なんでそんな趣味の悪い事をするんだ・・・」と思う方が多いと思いますが(笑)、各球団の首脳陣に、選手起用を再考してもらうため、ひいては、プロ野球界の発展のため、そして、勝利を望むファンのために、あえてそういった選手に焦点を当てる事も必要だと思い、この企画を考案しました。 

 

 前回は、「ワーストナイン2018」の発表を行いましたが、今回は、「ワーストナイン2018」に選出された選手の成績詳細を見ていきます

(プロ野球を「研究する」編No.52)データで選ぶ2018プロ野球「ワーストナイン」を発表!! 日本記録保持者や球界を代表する名手が選出!? - プロ野球FUN(前回の記事は、こちらからどうぞ。選考基準・対象もこちらからご覧ください。

 

(番外編No.11)「レギュラークラスが誰もいない」という問題にどう立ち向かうべきか - プロ野球FUN(よろしければ、こちらの記事もご覧ください。)

 

 

<「ワーストナイン2018」に選出された選手の成績詳細・寸評>

 

 まずは、「ワーストナイン2018」に選出した選手の一覧を、以下に掲載します。

 表の数値は、今回選考にあたって使用した、DELTA社様主催の、こちらのサイトが算出しているWAR平均的な「控え選手」と比較して、1年間に何勝分の貢献をしたかを示す指標。平均的な選手が1年間試合に出続けると、2.0前後になるです。

 

 選考基準・対象等の詳しい事は、前回記事をご覧ください。

 

 野手(規定打席以上)のWARはこちらのページから、投手(規定投球回数以上)のWARはこちらのページからご覧になれます。

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 では、「ワーストナイン2017」に選出された選手のWARの内訳等の成績詳細を見ていきましょう(こちらのページのデータを基に算出しています)。

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OPS出塁率長打率)・・・打者にとって重要な「出塁能力」と「走者を進める能力」を足し合わせた指標。計算が簡単な上に、打者の貢献度をより適切に評価できる。

UZR・・・野手が、平均的な同ポジションの野手と比較して、チームの失点を何点分防いだかを示す。打球を映像分析する事で、守備範囲等の数値化に成功している。

FIP・・・味方の守備力や、ポテンヒットの様な「運」に左右されない「被本塁打」「与四死球」「奪三振」のみで投手を評価する指標。投手の実力をより適切に評価できる。

 

●大きな弱点があっても、それなりにカバーした2018年のワーストナイン

 過去のビックデータの解析によると、一般的にレギュラーは、控え選手よりも「打撃」は優れているが、「守備・走塁」は、レギュラーも控え選手もそれ程変わらないという結果が出ています。

 

 「基本的に打力が高い選手がレギュラーになり、貧打だが、守備走塁が上手い選手が守備固めや代走等の控え選手になる」というのをイメージしていただくと、分かりやすいと思います。

 

 そのため、WARは以下の様な仕組みになっています。

 

・打撃のWAR:平均的な「控え選手」と比較して、チームに何勝分貢献できたか

・守備と走塁のWAR:「平均的な選手」と比較して、チームに何勝分貢献できたか

「走攻守全て平均的な選手」が1年間試合に出た場合のWARの内訳:打撃2.0前後・守備0.0・走塁0.0になる(合計2.0前後)

 

 この点を意識していただいてWARの内訳を見ていただきたいと思います。

 やはりWARがマイナスだった選手が1人だけだった(2017年は4人)という事で、打撃と守備のどちらも「大きな弱点」とまではいっていないケースや、どちらか一方で大きな損失を出している選手は、もう一方では、それなりの利得を作っているというケースが多いです。

 

 2017年のワーストナインで、WARがマイナスだった選手と比較してみましょう(こちらのページのデータを基に算出しています)。

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 倉本選手(2018年は規定打席未到達のため選考対象外)は、何と打撃と守備の両方でマイナスの値を記録しています。

 

 また、先述した通り、「打撃が平均的な選手」が1年間試合に出た場合、打撃のWARは2.0前後になるため、小谷野選手(2018年は規定打席未到達のため選考対象外)も、やはり打撃も守備も大きな弱点であると言えます。

 

 そして、阿部選手(2018年は規定打席未到達のため選考対象外)とアマダー選手(同規定打席未到達のため選考対象外)は、守備・走塁面での大きなマイナスを、打撃でほとんど補えていませんでした。

 なお、アマダー選手はDHでの出場がメインでしたが、守備負担の無いDHとして出場する分、打たなくてはなりません。

 WARは、その事を考慮し、守備位置毎に補正値が掛けられます(例えば、今江選手のUZRはプラスだが、出場したポジションは、比較的難易度が低い一塁と三塁であるため、マイナスの補正値が掛けられ、守備のWARがマイナスになっている)。

 当然、DHは補正値が大きなマイナスですので、打撃で高い貢献度を示す必要がありましたが、それができなかったという事です。

 

 2018年は上記の4人の様な選手がほとんどいなかったため、ワーストナインの質が良い意味で改善されました。

 レギュラー格がいないならいないなりに、競争を促したり、調子の良い選手を使ったり、選手の特性(左投手に強い等)によって使い分ける等(もちろん補強する方法もある)、それだけ各球団の首脳陣が工夫を凝らした選手起用を行ったと言えるので、喜ばしい事です(よろしければ、以下の記事もご覧ください)。

(番外編No.11)「レギュラークラスが誰もいない」という問題にどう立ち向かうべきか - プロ野球FUN

 

●望まれる「セ・リーグへのDH制導入」

 前回記事でもお話ししましたが、総合的に見ると、ワーストナイン級の活躍しかできなかったとは言え、バレンティン選手や安達選手を、他人が羨む程の武器を有しながら、代打要員や守備固め要員等の控え選手にしてしまうというのも、とても勿体無い話です。

 少なくとも、セ・リーグはDH制を早く導入してほしいものです(よろしければ、以下の記事もご覧ください)。

(プロ野球を「研究する」編No.18)セ・リーグへのDH制導入は大賛成!! 本気でプロ野球を「より魅力的」なものにしよう!! - プロ野球FUN

 

 同時に、安達選手の様な選手のために、DHの数を増やす(投手以外に守るだけの選手をつくる)事も、議論が必要かも知れません(専業化が進み、競技レベルが上がるメリットもありますが、球団の総年俸高騰の問題等もあり、現実的には流石に厳しいでしょう)。

 

 しかしながら、少なくともDH制があれば、バレンティン選手の打力を生かす事ができます。

 もちろん、守備負担の無いDHとして出場する分、打たなくてはなりません(先述した通り、WARは守備位置毎に補正値が掛けられる。当然、DHは補正値が大きなマイナス)。

 

 しかし、参考として、2017年にDHとして1年間出場したソフトバンクデスパイネ選手は、545打席(2018年のバレンティン選手は602打席)、OPS.859(同.904)でWAR2.7と、レギュラーとして合格点の数値を記録しました(先述した通り、平均的な選手が1年間試合に出た場合、2.0前後になる)。

 バレンティン選手もDHのレギュラーになり、打力を維持している限りでは、2018年の様なWARを残す事は無いでしょう。

 

●守備力に偏重し過ぎ、打撃が軽視され過ぎたショート

 2018年のワーストナインは、遊撃手が4名も選ばれる事態となってしまいました。

 この原因ですが、WARの内訳を見て分かる通り、やはり守備力を重視し過ぎたためでしょう。4人全員が打撃のWARがマイナスです。

 OPSを見ての通り、3人のOPSが5割台で、西浦選手こそ6割台でしたが、西浦選手が所属するヤクルトの本拠地・神宮球場は、かなり打者有利の球場ですので、それを考慮すると、やはり打撃は大きな弱点だと言えます。

 これだけ打てなくても、規定打席に到達する程起用されたという事は、それだけ守備を信頼されていたという事になるでしょう。

 確かに、ショートは難易度が高く、守備負担も大きいポジションです。

 しかし、だからと言って、守備を重視し、打力をほぼ無視する様な事をすると、この様な事になってしまいます。

 ほぼ投げるだけの投手(パ・リーグの場合はまさに「投げるだけ」)より、遥かに多くの打席に立つ必要がある遊撃手の評価は、打力も評価に入れる必要があるのです。

 

 楽天は、本職がショートでない茂木選手をルーキーイヤーからショートで起用し、2018年こそ不調でしたが(規定打席にも未到達)、2017年にはWAR3.8(両リーグ規定打席到達者55人中18位)を記録しました。

 2017年の茂木選手はUZR-4.1と、守備では奮いませんでしたが、得意の打撃でリーグ3位となるOPS.867を記録し、守備のマイナスを補って余りある活躍を見せました。

 

 この様に、「走攻守トータル」で評価する事が重要なのです。

 

 もちろん、安達選手はセイバーメトリクス界では、球界を代表する名遊撃手として知られ、2014年はUZR22.2・WAR5.5(両リーグ規定打席到達者58人中6位)を記録する等、実績ある選手です(私にとっても尊敬する選手の1人です)が、やはり出場機会を与え過ぎたと言えるでしょう(先述した通り、DHが複数あり、投手以外にも使えれば良いのですが・・・実現は厳しいでしょう)。

 実績ある選手であっても、不調時はスタメンで出さない勇気も必要でしょう。

 

 

<おわりに>

 

 各球団の選手起用が改善されたと言える一方で、プロ野球界の新たな課題も見えてきました。

 セ・リーグへのDH制導入は強く望みますし、巨人・坂本選手の様な「打てて守れる」ショートもいますが(坂本選手は毎年MVP級のWARを記録している)、遊撃手の守備偏重と打撃軽視も考えるべき課題です。

 もちろん、野球界の発展のために、「選手が正しく評価され」、「選手が正しく起用される」事も切に願い続けます。

 

 

(番外編No.11)「レギュラークラスが誰もいない」という問題にどう立ち向かうべきか - プロ野球FUN(よろしければ、こちらの記事もご覧ください。)

 

 

当ブログの記事を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました!!