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(プロ野球を「研究する」編No.86)王貞治・長嶋茂雄両氏の「ON砲」以外も奮闘!? 「V9時代」の巨人打線を見る

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 こんにちは!! と申します。当ブログにお越しいただき、誠にありがとうございます。

 今回は、

プロ野球を『研究する』編」

の第86弾として、

王貞治長嶋茂雄両氏の『ON砲』以外も奮闘!? 『V9時代』の巨人打線を見る

をお送り致します!!

 

 

「研究する」編で使用される、”奇跡の野球の分析手法”「セイバーメトリクス」とは!?>

 

 セイバーメトリクスとは、野球の戦略・戦術や競技者(選手)を、統計学すなわち「科学」を用いて分析・評価するという、今までにない斬新な手法の事です。野球の本場・アメリMLBでは、この手法を導入したオークランド・アスレチックスが、資金難による低迷から脱して常勝球団になった事等もあって、セイバーメトリクスの有用性が認められており、この手法を用いた球団運営が主流となっています。

  野球の常識を覆し、弱小球団を常勝球団に変貌させる等の数々の奇跡を起こした、いわば”奇跡の野球の分析手法”であり、これを知れば、あなたも「超」野球通です!!

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<はじめに>

 

 日本で最も有名なプロ野球選手である王貞治氏と長嶋茂雄氏。

 多くのプロ野球ファンの方がご存知の通り、両氏は「ON砲」と呼ばれ、1960年代~1970年代の巨人黄金期の主砲として活躍し、巨人の「リーグ優勝&日本一9連覇(V9)」という不滅の大記録樹立の立役者となりました。

 

 「V9時代」の巨人打線は、チーム得点数が全ての年でリーグトップで、OPS出塁率長打率)もリーグトップが7回、他の2年も共にリーグ2位と、極めて強力でした。

 逆に、チーム失点数がリーグトップ(リーグ最少)となったのは1度のみで、4位以下も3度あったため、V9の主たる要因は、やはりオフェンス面と言えるでしょう。

 

 この点を考慮すると、ますます「ON砲」の存在が際立ちますが、両氏の存在が突出するあまり、「V9時代」の他の打者の成績はあまり知られていません。

 

 そこで今回は、「V9時代」の巨人打線を詳しく見ていきたいと思います。

 

 

<①「V9時代」初年度の1965年の打線>

 

 まずは、「V9時代」初年度の1965年の打線を見ていきます。

 データ参照は、以下のページです。

1965 Yomiuri Giants Statistics | Baseball-Reference.com

 

OPS出塁率長打率・・・打者にとって重要な「出塁能力(出塁率)」と「走者を進め、還す能力(長打率)」を足し合わせた指標。計算が簡単な上に、打者の貢献度をより適切に評価できる。

IsoP長打率-打率)・・・打者の長打力を測る指標。長打率の公式は「(単打×1+二塁打×2+三塁打×3+本塁打×4)÷打数」なので、IsoPの公式は「(二塁打×1+三塁打×2+本塁打×3)÷打数」となる。

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 やはり、王・長嶋の両選手の成績が突出しているのが分かります。

 共に出塁力と長打力を兼ね備えており、特に王選手の成績は異次元です。

 

 そして、「ON砲」以外の打者の成績を見ると、確かに「ON砲」に肩を並べる打者はいないものの、国松・森・吉田・柴田・関根の5選手が、200打席以上に立った上で、リーグ平均を超えるOPSを記録しています。

 「ON砲」以外の打者も、一定の働きをしていました。

 特筆すべき点は、200打席以上の打者全員のBB/Kがリーグ平均を超えている点で、どの打者も完成度が高く、丁寧な打撃をしていたという事が言えます。

 

 

<②「V9時代最強打線」の1968年の打線>

 

 「V4」の1968年の打線は、以下の表の通り、「V9時代最強打線」でした。

 

OPS出塁率長打率・・・打者にとって重要な「出塁能力(出塁率)」と「走者を進め、還す能力(長打率)」を足し合わせた指標。計算が簡単な上に、打者の貢献度をより適切に評価できる。

※:リーグ平均を100とした場合の巨人の数値。

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 ご覧の通り、リーグ平均比の1試合当たり得点もOPSも、9年間で最も優秀です。

 では、そんな「V9時代最強打線」の1968年の打線を見ていきます。

 データ参照は、以下のページです。

1968 Yomiuri Giants Statistics | Baseball-Reference.com

 

OPS出塁率長打率・・・打者にとって重要な「出塁能力(出塁率)」と「走者を進め、還す能力(長打率)」を足し合わせた指標。計算が簡単な上に、打者の貢献度をより適切に評価できる。

IsoP長打率-打率)・・・打者の長打力を測る指標。長打率の公式は「(単打×1+二塁打×2+三塁打×3+本塁打×4)÷打数」なので、IsoPの公式は「(二塁打×1+三塁打×2+本塁打×3)÷打数」となる。

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 先程の1965年と比較し、長嶋選手のOPSが大幅に高い(1965年は.830)点に目が行きますが(キャリアハイは1961年の1.108、通算は.919であり、1965年は不調だった)、その一方で「ON砲」以外の打者の活躍も目立ちます。

 

 柴田選手は26本塁打IsoP.249の際立つ長打力を武器に、OPS.820を記録しています。これは、規定打席到達者30人中9位となる好成績です。

 

 高田選手は規定打席に僅かに届きませんでしたが、出塁力・長打力共にハイレベルな打撃でOPS.869を記録しています。こちらも規定打席到達なら、規定打席到達者31人(高田選手を含めて)中7位に相当する好成績です。

 

 出塁率が優秀だった黒江選手と、出塁率長打率のバランスが良かった国松選手も、共に200打席以上に立った上で、リーグ平均を大きく上回るOPSを記録しています。

 

 

<③「V9時代」最終年の1973年の打線

 

 最後に、「V9時代」最終年の1973年の打線を見ていきます。

 データ参照は、以下のページです。

1973 Yomiuri Giants Statistics | Baseball-Reference.com

 

OPS出塁率長打率・・・打者にとって重要な「出塁能力(出塁率)」と「走者を進め、還す能力(長打率)」を足し合わせた指標。計算が簡単な上に、打者の貢献度をより適切に評価できる。

IsoP長打率-打率)・・・打者の長打力を測る指標。長打率の公式は「(単打×1+二塁打×2+三塁打×3+本塁打×4)÷打数」なので、IsoPの公式は「(二塁打×1+三塁打×2+本塁打×3)÷打数」となる。

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 長嶋選手は翌1974年のオフに引退しますので、成績がかなり下降しているのが分かります。

 驚くべき点は、王選手の出塁率が5割に到達している点です(打席の半数出塁している!!)。四球がとにかく多いため、BB/Kも3.02と、こちらも異常な水準に達しています(NPBの過去3年=2016~2018年の規定打席到達者の最高値は、2016年のソフトバンク・中村選手の1.87)。

 もちろん、後ろを打つ長嶋選手の衰退による敬遠の増加もありますが、敬遠を差し引いても、四球は86個でリーグトップのままです。

 

 そして、両氏以外の打者の成績ですが、1968年程ではないものの、一定の成績を残しています。

 200打席以上打席に立ち、OPSがリーグ平均を超えたのは、高田・柴田・末次・吉田・土井・黒江の6選手がおり、その内高田・柴田・末次・吉田の4選手のOPSが7割を超えています。

 

 

<おわりに

 

 「V9時代」の9年の内、3シーズンの打線を見て来ましたが、やはり「ON砲の2人だけが働いていた」訳ではなく、それ以外の打者も一定の働きを見せていたという事が分かりました。

 やはり、野球はチームスポーツであり、1人が連続して打席に立てない分、全員がしっかり働く必要があります。

 巨人が「V9」という大記録を樹立できたのは、「ON砲」に頼り切らず、他の打者も一定の働きを見せたという点も大きいでしょう。

 やはり、王・長嶋両氏の存在は偉大ですが、同じく「V9」に貢献した他の選手にも、もっとスポットが当てられるべきかも知れません。

 

 

当ブログの記事を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました!!